相続登記申請の必要書類と取得方法を解説【申請パターン別、準備・提出から原本還付までの流れ】


登記手続

執筆者 司法書士 上垣 直弘


  • 兵庫県司法書士会登録番号 第1549号
  • 簡易裁判所訴訟代理認定番号 第712178号

日頃、東播磨地域(明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)や淡路市、神戸市にお住まいの個人、中小企業の方から不動産登記手続を中心に年間100件以上のご依頼を受けています。中でも遺産整理手続の依頼は多く、これまで遺産の名義変更や処分、不動産の相続登記を数多く取り扱った実績があります。

 

 

目次

1.登記申請の流れ


令和6年4月から相続登記が義務化されることになり、相続が発生した際には不動産を取得した方の名義に変更しなければならなくなりました。

 

相続登記手続で一番大きな手間は「必要書類」を収集することです。

いかに効率よく集めるかを考えることが、負担を少なくするためのコツです。

 

このコラムでは、相続不動産について① 話し合いで取得する相続人を決める場合(遺産分割協議)、② 遺言書にもとづき取得する場合、③ 法律で決まっている相続分どおりで取得する場合の3つに分けて、必要書類の取得方法、費用、注意点について解説します。

2.登記申請の準備

 

必要書類は、登記申請前に取得が必要となります。

相続登記申請書の作成や流れについては、次のコラムで詳しく解説しています。

関連コラム

 

なお、当事務所では、相続登記に必要な書類取り寄せ、登記申請書作成、申請手続の代行までをフルサポートしています。

ご自身で相続登記申請をおこなうことに不安、負担を感じている場合には、お気軽にご相談、お問合せください。


JR明石駅徒歩すぐの上垣司法書士事務所では、相続登記に必要な書類取り寄せ、登記申請書作成、申請手続の代行までをフルサポートしています。

3.相続登記全パターンで必要になる書類

 

まずは、全ての登記申請のパターンにおいて必要となる書類について解説します。

3-1.相続登記全パターンの必要書類一覧


相続登記全パターンの必要書類の一覧表は次の通りです。

書類名 取寄先・作成者 内容
登記申請書 申請人 登記申請書のひな形については法務局ホームページからダウンロードすることも可能です。
登録免許税納付用台紙 申請人 登録免許税納付のための収入印紙を貼付するための用紙です。
収入印紙 郵便局、法務局など 高額の収入印紙はコンビニエンスストアなどでは取扱いがないため、郵便局や法務局などで購入します。
固定資産評価証明書 都税事務所、市区町村役所 登録免許税の額を計算するために必要です。
住民票(除票) 市区町村役所 亡くなった方(被相続人)の死亡の記載がある住民票が必要です。
戸籍謄本(除籍) 市区町村役所 亡くなった方(被相続人)の戸籍(除籍)が必要です。
相続関係説明図 申請人

相続関係説明図に代えて、法務局で無料交付が受けられる「法定相続情報」を利用することも可能です。
詳しくは次のコラムで解説しています。

委任状 司法書士 司法書士など手続を委任する場合に必要です。

 

3-2.住民票


相続登記の必要書類の1つ目は、役所で取得できる「住民票」です。
必要になるのは、「亡くなった人」と「相続する人」の住民票です。

住民票は、住民登録をしている役所の窓口、郵送のいずれの方法でも取得することができます。
郵送の場合には、交付手数料分の定額小為替を郵便局で購入し、返信用封筒を同封して申請をおこないます。

取り寄せ先の役所のホームページ、又は電話にて確認すると良いでしょう。

なお、登記申請全般で必要となる場合の住民票については、特に有効期限は定められていません。

ただし、実務上はできるだけ新しいものが望ましいとされています。

なるべく登記申請日から3か月以内の日付で発行されたものを用意されたほうが良いでしょう。

 

内容
取得先 住所地ある市区町村役所
申請方法 ① 窓口 ② 郵送
手数料 300円前後/1通
※ 各自治体により異なります。
※ 郵送の場合、定額小為替を同封します。発行手数料は200円/1通かかります。(令和5年2月時点)
請求できる人 ① 本人、同じ住民票に入っている人
② 相続人など一定の権利関係がある人
③ 司法書士など
必要書類 ① 本人確認資料
② [郵送] 住民票交付の申請書
     ※ 役所ホームページなどで入手します。
  [郵送] 返信用封筒
     ※ 切手を貼っておきます。重量に不安がある場合、予備の郵便切手を同封しても良いでしょう。
  [郵送] 定額小為替
     ※ 交付手数料ちょうどの金額同封が望ましいです。

 

3-2-1.亡くなった人の住民票

 

現在の登記名義人と、亡くなられた人(被相続人)が同一人物かどうかを法務局が確認するために必要なものです(被相続人の同一性を証する書面)。


登記には所有者情報として、氏名、住所が記載されています。
しかし、被相続人の戸籍には氏名は記載されますが住所は記載されないため、登記名義人と同一人物か確認することができません。
そのため、その情報が記載されている住民票が必要となります。

3-2-1-1.除票(被相続人:亡くなった人の住民票)

役所は、亡くなった方の住民票を抹消します。
抹消した住民票のことを「除票(じょひょう)」「住民票除票」などと言います。

除票には、亡くなられた方の① 死亡時の住所、② 生年月日、③ 氏名、④ 死亡年月日の記載があります。
なお、個人情報保護の観点から、特に申し出がない場合には、最低限の記載がされた除票しか交付されません。

相続登記申請には「本籍の記載がある除票」が必要です。
付申請をおこなう場合には、「本籍地の記載」が必要であると申し出るようにしましょう。

3-2-1-2.[例外] 戸籍の(除)附票(本籍地における被相続人の住所の履歴)

登記事項に変更が発生した場合、変更登記をおこなうことが一般的です。
しかし、住所変更は最新の住所が登記情報に反映されていないことが多いです。

被相続人が結婚などで引越しを繰り返し、登記上の住所変更をしていなかった場合、除票に記載された住所地と登記簿上の住所の一致が法務局側で確認できないため、登記申請はとおりません。

戸籍の附票は、住所の履歴が記載されている書類です。
本籍地のある市区町村役所で交付を受けることができます。
なお、本籍地を変更(転籍)している場合には、転籍前の本籍地にある市区町村役場に取り寄せをおこなう必要があります。

住所地と本籍地は異なっていることは珍しくありません。
まずは、亡くなられた方の本籍地の記載のある除票を取得し、本籍地を確認したうえで取り寄せするとスムーズです。

 

 ■ 保存期間経過により廃棄されているケースに注意 

以前は除票および戸籍の附票の保存期間は「5年」であったため、廃棄処分によりその発行を受けられなくなるケースが多々ありました。

そこで、令和元年6月20日から住民基本台帳法の一部改正により、除票および戸籍附票の保存期間が150年に延長されました。

ただし、何年も相続登記を放置しているような場合には、保存期間延長前に廃棄されており、発行されない可能性もあります。

その場合は、①「廃棄済証明書」、②「登記済証(権利証)」、③「納税通知書」、④「不在住・不在籍証明書」などを代わりに法務局に対し提出することになります。
3-2-1-3.[例外] 廃棄済証明書

除票や戸籍の附票の保存期間経過により交付が受けられない場合、役所に請求することで廃棄済証明の交付が受けられます。

3-2-1-4.[例外]登記済証(権利証)

不動産の名義人である被相続人がが所持していた登記済証(権利証)を、最後のお住いに保管されていないか探しておきましょう。

 

令和5年2月時点における登記実務では、廃棄などにより除票および戸籍附票が取得できず、登記名義人と亡くなられた方(被相続人)が同一人物か証明する書類を法務局に提出できない場合、次の書類があれば、次の項目で解説する不在住・不在籍証明書などを取得しなくても、登記申請をおこなうことができるという取扱いになっています。

 

☑ 取得できた住民票除票(本籍地入)または戸籍附票
    +
被相続人名義の登記済証(権利証)
     ※ 相続不動産の所有権に関するもの

 

次に、相続不動産の所有権に関する被相続人名義の登記済証(権利証)もない場合の必要書類について解説します。

この場合は事前に管轄法務局に確認されることをお薦めします。

3-2-1-5.[例外] 不在住・不在籍証明書

これらは証明書交付申請の時点で、住所/本籍・氏名が一致する住民票/戸籍が存在しないことを証明する書類です。

 

以前は除票や戸籍の附票で被相続人の同一性を証明できない場合、不在住・不在籍証明の提出を求められていました。

 

ただし、現在では先に解説したとおり、「相続不動産の所有権に関する被相続人名義の登記済証(権利証)」があれば、登記申請をおこなうことができるため、被相続人名義の登記済証(権利証)がない場合に取得する必要があります。

 

住民票・住民票除票の申請書の「不在住証明書」「不在籍証明書」の欄にチェックを入れて、現在の登記名義人となっている亡くなった方の「登記上」の住所を記入します。

3-2-1-6.相続不動産の被相続人宛の固定資産税の納税通知書

これも除票や戸籍の附票で被相続人の同一性を証明することができず、被相続人名義の登記済証(権利証)もない場合に、これらに代わる書類として法務局から提出を求められることがあります。

亡くなられた方のご自宅や最後のお住いに保管されていないか探しておきましょう。

3-2-2.不動産を取得する相続人の住民票

 

令和6年4月からの相続登記義務化の制度趣旨もそうですが、現在の「所有者」情報を登記に正確に反映させるために提出が求められています。

 

3-3.戸籍謄本

 

相続登記の必要書類の2つ目は、役所で取得できる「戸籍謄本」です。
謄本とは、コピーのことです。

役所に保管されている戸籍のコピーを取得します。

必要になるのは、「亡くなった人」の戸籍謄本です。

戸籍謄本も住民票と同様に、役所の窓口、郵送のいずれの方法でも取得することができます

郵送の場合には、交付手数料分の定額小為替を郵便局で購入し、返信用封筒を同封して申請をおこないます。

取り寄せ先の役所のホームページ、又は電話にて確認すると良いでしょう。

 

内容
取得先 本籍地ある市区町村役所
申請方法 ① 窓口 ② 郵送
手数料 戸籍謄本 450円/1通
除籍謄本 750円/1通
※ 全国同一料金です。
※ 郵送の場合、定額小為替を同封します。発行手数料は200円/1通かかります。(令和5年2月時点)
請求できる人 ① 戸籍に記載されている人、配偶者や直系親族
② 相続人など一定の権利関係がある人
③ 司法書士など
必要書類 ① 本人確認資料
② [郵送] 戸籍謄本交付の申請書
     ※ 役所ホームページなどで入手します。
  [郵送] 返信用封筒
     ※ 切手を貼っておきます。重量に不安がある場合、予備の郵便切手を同封しても良いでしょう。
  [郵送] 定額小為替
     ※ 交付手数料ちょうどの金額同封が望ましいです。

3-3-1.被相続人の出生から死亡までの戸籍(除籍)謄本

 

原則として相続登記の申請には、「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(戸籍・除籍・改製原戸籍など)」を添付する必要があります。

 

まずは、ご自身で「亡くなられた方(被相続人)の死亡の記載がある戸籍(除籍)」を取得しましょう。

ご自身で全ての戸籍を取得することが難しい場合は、専門家に依頼することをお薦めします。

 

相続登記の実務をおこなう司法書士は、相続登記申請のご依頼を受けた場合、「被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等一式」を取り寄せることが可能です。

 

被相続人の相続人調査をおこなう理由は次の3つです。


被相続人の出生から死亡までの戸籍を取寄せる理由
  • 相続人調査のため

相続人全員を把握しておくことが必要な、①法定相続(法律で定められた相続分で相続)、②遺産分割協議(相続人間での話し合い)では「相続人全員」が参加して手続を進めることが必要です。

そのため、出生から死亡までの戸籍をたどることで、養子縁組、認知(隠し子)などの事情がないか、認識していない相続人がいないかを確認します。

  • 法定相続情報を取得するため

相続後の預貯金などの資産解約や名義変更手続をラクにするため、法務局で無料交付が受けられる「法定相続情報一覧図」を取得します。

法務局に亡くなられた方の相続人の関係を示す戸籍謄本等一式を提出することで、相続関係を示す証明書を発行してもらえます。
しかも、発行通数に制限はありません。

公的な書類となりますので、銀行・証券会社・保険会社などから求められることの多い「亡くなられた方との相続関係を示す戸籍謄本等一式」に代えて提出し使用することができます。

そのため、複数先の相続手続を同時に進行することができることから、法定相続情報を取得することが多いです。

なお、法定相続情報取得のため法務局に提出した戸籍謄本等の原本還付をしてもらうことが可能です。
法定相続情報について、詳しくは次のコラムで解説しています。

関連コラム

  • 遺産整理手続をおこなう人は知っておきたい「法定相続情報」制度

    被相続人に関係する出生から死亡までの戸籍謄本などを法務局に提出することで、相続関係を示す「法定相続情報一覧図」が無料で交付を受けることができます。
    遺産の名義変更など遺産整理手続で利用することができるため、広く利用されています。
    当事務所では、法定相続情報の取得を含め遺産整理手続きもサポートしています。

 

 ■ 戸籍謄本の取得でよくある疑問 戸籍謄本の取得でつまずく点や、疑問点は次のとおりです。

  • (除)戸籍謄本の交付を受けられない場合
    戦災による焼失や自然災害(洪水、地震など)が原因で交付を受けられない場合があります。
    この場合には、「戸(除)籍謄抄本の交付ができない旨の証明書」の交付を受けて、法務局に提出します。

  • 戸籍謄本の文字が読めない
    旧字体や行書体で手書きされた明治時代などの戸籍になると「達筆すぎて文字が読めない」場合があります。
    この場合には、交付を受けた役所に確認することが解決方法です。

    また、こうした判読で苦労をしないように、「(被相続人の名前)の出生から死亡までの相続人調査をおこなっています。(被相続人の名前)にかかる全ての戸籍謄本等の交付をお願いします。」と申請書に付記しておくと、つながりが取れる戸籍謄本を全て交付してくれることが多いので、取り寄せのテクニックの一つとしてお伝えします。

  • 市町村の合併
    戸籍謄本は現在から過去に向かって取得していくことになります。
    しかし、市町村合併があり、現在の自治体名と異なっていることもあります。

    こうした場合には、インターネットで検索し調べる方法があります。
    郵便局のサイトに市町村変更情報が掲載されており、そちらを参考に調べるのも一つです。

    参照リンク


    日本郵便株式会社│市町村変更情報(都道府県別)

    過去に存在した市区町村名で調べることが可能です。

    統廃合により現在の管轄となる役所で戸籍謄本等の取り寄せをおこないます。

    統廃合の詳細については市民課など、戸籍謄本等の交付をおこなっている窓口で確認できることがあります。



 

3-4.相続関係説明図



亡くなられた方(被相続人)と相続人の関係を示す書類です。

相続登記の申請人が作成します。

 

なお、先ほど説明した法務局の法定相続情報一覧図を代わりに提出することができます


また、法定相続情報一覧図の写しを提出することで、相続登記申請の必要書類である「被相続人の出生から死亡までの戸籍など」の添付を省略することもできます。

3-5.不動産の固定資産評価証明書

 

相続登記の申請時に法務局に納付が必要となる税金(登録免許税)を計算するために必要になります。
相続登記を申請する年度のものが必要になります。

固定資産評価証明書は、毎年4月1日に評価額(年度価格)が変わります。
そのため、取得先の役所(東京都の場合、都税事務所)で「最新年度」の交付を依頼してください。

3-6.相続登記申請書

 

相続登記申請書を作成します。
サンプルは法務局の公式ホームページからダウンロードすることが可能です。

参照リンク

 

法務局 │ 不動産登記の申請書様式について

相続登記のパターンに応じて、上記リンク先にある次の書式が参考になります。

なお、個別の事情により、登記申請を複数経ないと名義変更できないこともありますので、相続登記申請については当事務所までお気軽にご相談ください。
 19)所有権移転登記申請書(相続・法定相続)
 20)所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)
 21)所有権移転登記申請書(相続・遺産分割)(数次相続)

 

なお、相続登記申請書の作成については次のコラムでも解説しています。

関連コラム

 

3-7.登録免許税納付用台紙


登録免許税は原則として収入印紙で納めます。
必要な金額を計算し、予め郵便局などで購入しておきます。

 

なお、相続登記申請時にいくら税金(登録免許税)を納めるのか、必要書類や準備のためにいくら費用がかかるのかについての解説は次の記事をご覧ください。

関連コラム


JR明石駅徒歩すぐの上垣司法書士事務所では、相続登記に必要な書類取り寄せ、登記申請書作成、申請手続の代行までをフルサポートしています。

4.遺産分割協議による相続登記の必要書類

 

これまで解説してきた、全ての場合において必要となる書類に加えて、遺産分割協議による相続登記申請に必要な書類は次のとおりです。

4-1.遺産分割協議書

 

遺産分割協議(相続人間の話し合い)には、相続人全員の参加が必要です。
相続人全員が参加せずに決めた内容は「無効」です。

そのため、相続人全員を把握するために、亡くなられた方の出生から死亡までの戸籍等すべてを取り寄せ、隠し子、養子などがいないかを確認します。

 

 ■ 遺産分割協議で問題となるケース 

遺言書がないために遺産分割協議による相続登記申請をおこなう場合において、よく問題となるケースは次のとおりです。

  • 相続人間で「争い」になっているケース

    遺産分割協議は相続人全員での合意が必要です。
    1人でも合意しなければ、遺産分割協議は成立しません。
    遺産分割内容や生前贈与、特別受益や遺産・財産の使い込みでもめている場合には、遺産分割調停など裁判所の手続利用を検討することになります。

  • 相続人の中に「行方不明者」がいるケース

    相続人の中に行方不明者がいる場合には、家庭裁判所に「不在者財産管理人選任申立」をおこない、相続手続を進めることになります。

  • 相続人の中に「認知症」の方がいるケース

    相続人の中に、認知症の人がいる場合、家庭裁判所に「成年後見制度」利用のための申立をおこないます。

    判断能力が不十分であると、遺産分割協議が有効に成立しないため、こうした手続が必要となってきます。

    当事務所でも成年後見制度の申立についてはサポートしております。

  • 相続人の中に「未成年者」がいるケース
    相続人の中に未成年がいる場合、原則は未成年の親権者が遺産分割協議に参加します。
    ただ、①親権者を同じくする未成年がいる場合、②未成年の子と親権者が相続人である場合には、お互いに利益が相反するため、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要があります。

 

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4-2.住民票または戸籍の附票(不動産を取得する相続人のもの)

 

登記名義変更により所有者となる相続人の住所情報を記載するために、相続人の住民票などが必要となります。

4-3.相続人の戸籍謄本(相続人全員)

 

遺産分割協議には相続人全員が参加していることが必須条件です。


そのため、亡くなられた方の相続人全員が参加したことがわかるよう、相続人全員の戸籍謄本が必要となります。

なお、戸籍謄本は被相続人が亡くなられた日以降に発行されたものである必要があります。

4-4.被相続人の戸籍謄本(被相続人の出生から死亡まで)

 

原則、本人でしか取得できない印鑑証明書を添付することで、遺産分割協議が有効に成立したことを示すために登記申請書に添付します。


なお、遺産分割協議書には相続人全員の実印による押印、複数ページに渡る場合には割印などがされていることが必要です。

5.遺言書による相続登記の必要書類

 

全ての場合において必要となる書類に加えて、遺言書による相続登記申請に必要な書類は次のとおりです。

5-1.遺言書

 

基本的に、遺言書原本が必要です。


なお、遺言書には、①自筆証書遺言、②公正証書遺言、③秘密証書遺言などの種類があります。
中でも自筆証書遺言は、(A)自宅や貸金金庫、又は(B)法務局で保管されているケースがあります。

(A)の場合、発見した相続人は、すみやかに家庭裁判所で検認手続を受ける必要があります。
また、登記申請書に添付する自筆証書遺言書は、この家庭裁判所での検認手続を受けたものをつける必要があります。

家庭裁判所の検認手続

 

自筆証書遺言書を見つけた際の、家庭裁判所の検認手続を受ける方法については次のコラムで解説しています。


この検認手続をおこたった場合には、罰則があるので注意が必要です。

関連コラム

  • 遺言書を見つけた際の検認申立(記載例つき)

    公証役場で作成された公正証書遺言や、法務局で保管されていた自筆証書遺言以外の「遺言書」は、法律上家庭裁判所で検認手続を受けることとされています。このコラムでは家庭裁判所での検認申立の手続について書式記載例をまじえながら司法書士が解説しています。

 

5-2.被相続人の(除)戸籍謄本(亡くなった人の死亡記載があるもの)

 

亡くなられた方の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍謄本)の添付が必要です。

5-3.相続人の戸籍謄本(不動産を取得する相続人のもの)

 

不動産を取得する相続人の現在の戸籍謄本が必要です。
なお、戸籍謄本は被相続人が亡くなられた日(死亡後)以降に発行されたものである必要があります。

5-4.住民票または戸籍の附票(不動産を取得する相続人のもの)

 

登記名義変更により所有者となる相続人の住所情報掲載のため、不動産を取得する相続人の住民票などをつける必要があります。

6.法定相続による相続登記の必要書類

 

法律(民法)で、相続人の範囲、その相続人が遺産に対してどういった割合で相続するのか(相続分)について決められています。


この法律に定められたとおりの相続分で、相続登記をおこなう場合に特に必要となる添付書類は次のとおりです。

6-1.住民票または戸籍の附票(相続人全員)

 

法定相続分どおりで、不動産を取得する場合、法定相続人全員が登記名義人となるため、その住所情報掲載のために全員の住民票が必要となります。

6-2.戸籍謄本(相続人全員)

 

相続人全員の現在の戸籍謄本の添付が必要です。


なお、亡くなられた方と同じ戸籍に入られている相続人がいる場合には、被相続人と相続人の戸籍は1つで足ります。

なお、戸籍謄本は被相続人が亡くなられた日以降に発行されたものである必要があります。

6-3.戸籍謄本(被相続人の出生から死亡まで)

 

法定相続分による相続登記の申請は全員が登記名義人となる必要があります。

 

そのため、相続人全員であることを証明するために、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本等が必要となります。


JR明石駅徒歩すぐの上垣司法書士事務所では、相続登記に必要な書類取り寄せ、登記申請書作成、申請手続の代行までをフルサポートしています。

7.原本還付

 

相続登記申請の際に提出した書類で、法務局から原本を返却してもらうことができます

 

遺産分割協議書

☑ 遺言書

☑ 印鑑登録証明書

☑ 住民票

☑ 戸籍謄本

☑ 固定資産評価証明書

 

原本還付を希望する書類のコピーをつけて、原本とともに法務局に提出します。


コピーの余白に、「上記は原本と相違ありません」と記載し、署名押印します。

戸籍謄本のように複数枚に渡る場合には、割印をします。


なお、相続関係説明図を提出する場合、戸籍謄本のコピーを提出する必要はありません。

8.登記申請書類のとじ方・並べる順番

 

登記申請書と添付必要書類の準備ができたら、書類をとじて提出します。
特にとじ方が決まっているわけではありません

原本還付を受ける場合には、提出するもの、還付してもらいたいもので別にしてとじるとよいでしょう。
この場合、提出するものに、原本に代えてコピーをとじます。

 

8-1.遺言書の場合

 

下記の順序でとじると良いでしょう。


なお、遺産整理手続などで使用することもあるため「※印」の資料については、原本還付手続をおこなうと良いでしょう。

そのため、※印の箇所にはコピーをとじます。

 

✅ 登記申請書

✅ 登録免許税納付用台紙

✅ 相続関係説明図

✅ 遺言書

✅ 被相続人の住民票除票(または戸籍の除附票)

✅ 不動産取得する相続人の住民票(又は戸籍の附票)

✅ 固定資産評価証明書

 

8-2.遺産分割協議書の場合

 

下記の順序でとじると良いでしょう。

 

なお、遺産整理手続などで使用することもあるため「※印」の資料については、原本還付手続をおこなうと良いでしょう。そのため、※印の箇所にはコピーをとじます。

 

✅ 登記申請書
✅ 登録免許税納付用台紙
✅ 相続関係説明図
✅ 相続人全員の印鑑登録証明書
✅ 被相続人の住民票除票(または戸籍の除附票)
✅ 不動産取得する相続人の住民票(又は戸籍の附票)
✅ 固定資産評価証明書

 

8-3.法定相続の場合

 

下記の順序でとじると良いでしょう。

なお、遺産整理手続などで使用することもあるため「※印」の資料については、原本還付手続をおこなうと良いでしょう。そのため、※印の箇所にはコピーをとじます。

 

✅ 登記申請書

✅ 登録免許税納付用台紙

✅ 被相続人の住民票除票(または戸籍の除附票)

✅ 相続人の住民票(又は戸籍の附票)

✅ 固定資産評価証明書

 

9.相続登記申請書の必要書類(まとめ)

明石駅から徒歩すぐの上垣司法書士事務所による、明石市で開催の無料法律相談のご案内です。相続登記、各種相続手続、生前対策について、兵庫県司法書士会所属の司法書士が、あなたが知りたい具体的な解決策についてアドバイスをしています。

明石市開催の上垣司法書士事務所の法律相談会のご案内

 

以上のように相続登記申請書の必要書類の種類は多く、手間もかかります。
そのため、日々の忙しさにまぎれて、登記名義を変更していないケースが多くあります。

令和6年4月からは、相続登記や住所・氏名の変更登記が義務化されます。
罰則もありますので、相続をした人にとって他人事ではありません。

上垣司法書士事務所では、相続分野に注力しており、専門知識・ノウハウをもって相続登記手続きをトータル・フルサポートをおこなっています。

相続に強い税理士や弁護士とも提携しており、相続税の申告が必要か、非課税となるのかのシュミレーションや、相続トラブルについても対応可能な場合もあります。
ぜひお気軽にご相談ください。




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【申請書書式で解説!】相続登記の手続の流れ(令和6年4月…

相続登記の申請について、書式サンプルを交えながら解説します。
相続発生後の相続人・相続財産の調査、遺産分割から、登記手続までの流れを司法書士が全解説(令和6年4月からの相続登記義務化にも対応)。
不動産を相続した方、必見のコラムです。

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登記手続

相続登記にかかる費用と、司法書士費用の目安【申請パターン…

相続登記申請にかかる費用を、相続のパターン別に解説しています。

相続登記を①遺言書にもとづいておこなう場合、②遺産分割協議による場合、③法定相続分どおりにおこなう場合の3つのパターンで解説しています。

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死因贈与と不動産登記手続についての解説コラム

登記手続

死因贈与契約による不動産登記手続│相続登記シリーズ 明石…

「死因贈与契約」とは、贈与者(あげるほう)と受贈者(もらうほう)の双方が、贈与者が死亡したときに、財産が贈与者から受贈者に移転することを約束して成立する贈与契約のことをいいます。贈与者が死亡し、この死因贈与契約により不動産登記をおこなう際の手続の流れ、必要書類等について、登記書式例を交えながら司法書士が解説いたします。

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