相続登記にかかる費用と、司法書士費用の目安【申請パターン別に解説】


登記手続

執筆者 司法書士 上垣 直弘


  • 兵庫県司法書士会登録番号 第1549号
  • 簡易裁判所訴訟代理認定番号 第712178号

日頃、東播磨地域(明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)や淡路市、神戸市にお住まいの個人、中小企業の方から不動産登記手続を中心に年間100件以上のご依頼を受けています。中でも遺産整理手続の依頼は多く、これまで遺産の名義変更や処分、不動産の相続登記を数多く取り扱った実績があります。

相続登記にかかる費用について、登記原因のパターン別に解説

 

相続登記は、不動産の所有者が亡くなられた際に、その不動産を相続した方がおこなう登記のことです。

 

相続の内容により、費用が変わります。

このコラムでは、相続のパターン別での登記費用、司法書士に依頼した場合の費用について解説します。

1.相続登記は法律上の義務(令和6年4月スタート)

 

相続登記は、相続により不動産を取得する相続人の義務です。

令和6年(2024年)4月から法律上義務化され、それ以前に相続された方で名義変更が済んでいない方も対象になります。

 

現在の所有者情報を正確に反映させることで、安全な不動産取引や年々増える所有者不明の土地活用、放置された空き家対策などのために義務化されました。

 

相続登記義務に違反した場合、罰金(過料5万円の罰則)があります。

なお、この義務化前に相続が発生している不動産の相続登記も対象となるので注意が必要です。

 

相続登記の義務化についての詳しい解説については、次の関連記事をご参照ください。

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2.相続登記にかかる費用

 

相続登記にかかる費用は、相続する不動産の内容や、遺産分割や遺言書など相続登記の根拠となる「原因」によっても異なります。

 

相続登記にかかる費用として、大きくは(A)「登録免許税」と呼ばれる税金と、(B)登記申請書の添付書類の作成・取得費用になります。

 

自分自身で相続登記をおこなう場合の費用の目安は、(1)~(4)を足した金額になります。

司法書士に依頼される場合には、更に(5)を加えた費用が必要となります。

 

(1) 税金
登録免許税 ▼ 固定資産税評価額×0.4%
(2) 登記申請書関連 (基本)
必要書類の取得費用

▼ 数千円~
  ※ 住民票や評価証明の料金は市役所で異なり、相続人の数で取得する範囲が異なるため取得費用に幅があります。
  戸籍謄本等 (全国統一料金)
   被相続人の住民票(除票) または 戸籍の附票 (市区町村により料金異なる)
  相続人の住民票 (市区町村により料金異なる)
   固定資産税評価証明書 (市区町村により料金異なる)

(3) 登記申請書関連 (パターン別必要書類・必要手続き)
① 法定相続分どおりで名義変更 ▼ 数千円~
  被相続人の出生から死亡までの戸籍
     ※ 1通当たり「戸籍 450円」「除籍・改製原戸籍 750円」
  相続人全員の住民票または戸籍の附票
     ※ 相続人全員の数×住民票 数百円
  相続人全員の現在戸籍
     ※ 相続人全員の数×戸籍(450円/通)
② 遺言書にもとづく名義変更 ▼ 数千円~
  被相続人の死亡記載がある戸籍 (450円/除籍750円)
  不動産取得する相続人の戸籍 (450円)×人数
  不動産取得する相続人の住民票(数百円) または 戸籍の附票(300円)×人数
③ 遺産分割協議にもとづく名義変更 ▼ 数千円~
  被相続人の出生から死亡までの戸籍
     ※ 1通当たり「戸籍 450円」「除籍・改製原戸籍 750円」
  不動産取得する相続人の住民票(数百円)または戸籍の附票(300円)×人数
  相続人全員の現在戸籍
     ※ 相続人全員の数×戸籍(450円/通)
(4)相続内容によって追加でかかる費用
① 相続人の中に行方不明者がいる ▼ 数千円~
  不在者財産管理人選任申立(家庭裁判所)が必要です。
  収入印紙 800円
  各裁判所で定められた連絡用郵便切手
② 相続人の中に認知症などの人がいる ▼ 数万円~
  成年後見制度(法定後見)の利用が必要です。
       判断能力の程度により「後見」「保佐」「補助」に分かれています。
           具体例:東京家庭裁判所 (6670円~7610円)
        収入印紙 3400円
        連絡用郵便切手 後見 3270円 / 保佐・補助 4210円
  ※ 医師による鑑定費用(10万円~)、後見人の報酬などがかかります。
③ 相続人に未成年者がいる場合

▼ 数千円~
  ※ ① 親権者を同じくする未成年がいる場合、

         ② 未成年の子と親権者が相続人である場合には、お互いに利益が相反するため、家庭裁判所で特別代理人を選んでもらう必要があります。
   収入印紙 800円(子1人につき)
  各裁判所で定められた連絡用郵便切手

④ 自筆で書かれた遺言書にもとづき相続登記申請する場合 ▼ 数千円~
  ※ 公証役場や法務局で保管された以外の、自筆で書かれた遺言書は家庭裁判所の検認手続きが必要です。
  ・ 収入印紙800円(遺言書1通につき)
  ・ 各裁判所で定められた連絡用郵便切手
  ・ 検認済証明書発行費用 収入印紙150円
(5)司法書士費用(依頼する場合)
司法書士費用 ▼ 各事務所による (6万円前後~)
   ※ かつて各都道府県の司法書士会で「司法書士報酬」の基準がありましたが、平成15年4月1日に廃止されました。そのため、各事務所が報酬基準を定めています。

 

相続登記手続の必要書類について、詳しくは次の記事で説明しています。

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では、相続登記手続にどのような費用がかかるのか、具体的に説明していきます。

2-1.登録免除税(登記申請時の税金)

 

 

原則、相続登記の申請時に「登録免許税」と呼ばれる税金を法務局に納める必要があります。

相続登記申請書に一緒に綴じる収入印紙貼付台紙に貼って提出します。

この税金の計算方法は次のとおりです。

登録免許税=課税標準(課税価格)×0.4%(税率)

 

「課税標準(課税価格)」は、役所で取得できる固定資産評価証明書に記載されている固定資産評価額の項目で確認できます。

登録免許税を計算する際の課税標準額は1,000円未満を切り捨てた数字を使用します。

なお、課税標準額の最低額は1,000円です(切り捨てた後、1,000円未満の場合は1,000円)。  

 

課税標準額の具体例

不動産の評価額 1,234万5,678円は「1,234万5,000円」

課税標準額に税率(0.4%)をかけて計算した金額の100円未満は切り捨てます。
なお登録免許税の最低額は1,000円です(切り捨てた後、1,000円未満の場合は1,000円)。

 

例:課税標準額 1,000円未満のケース
  登録免許税 1,000円

  例:課税標準額 1234万円
  登録免許税 1234万円×0.4%=49,360円

  100円未満切り捨てのため、登録免許税49,300円

 

この登録免許税は、相続登記申請書を提出する際に収入印紙で納めます

金額の大きい収入印紙は、郵便局や法務局などで購入が可能です。

 

2-1-1.相続パターン別で考える登録免許税

よくある相続パターン別で、登録免許税の金額を考えてみましょう。

土地・建物の相続(2筆以上の場合)

  • 同じ土地に建つ実家(土地・建物)を相続する場合、同じ法務局に登記申請をおこないます。
    この場合、不動産の評価額を合算し登録免許税を計算します。
    (不動産の所在地を管轄する法務局が異なる場合は、個別に計算をおこないます。)

     例:土地 550万円+建物 450万円=課税標準 1,000万円
        課税標準 1,000万円×0.4%=登録免許税4万円

共有名義不動産の持ち分を相続

  • 夫婦が2分の1ずつ所有権をもち共有名義となっている不動産を例にします。
    夫が死亡し、唯一の相続人である妻が、夫の2分の1を相続する場合は持ち分をかけた金額が課税標準額となります。

     具体例:土地 1,000万円×1/2=課税標準 500万円
             課税標準 500万円×0.4%=登録免許税2万円

共有名義不動産の持ち分を相続

  • 夫婦が2分の1ずつ所有権をもち共有名義となっている不動産を例にします。
    夫が死亡し、唯一の相続人である妻が、夫の2分の1を相続する場合は持ち分をかけた金額が課税標準額となります。

     具体例:土地 1,000万円×1/2=課税標準 500万円
             課税標準 500万円×0.4%=登録免許税2万円

マンションの相続

  • マンション(区分建物)の敷地はマンションの所有者全員で共有していることが多いです。
    固定資産評価証明書には、所有する建物部分については評価額の記載があります。
    しかしながら、土地については、一般的に土地全体の評価額の記載しかありません。
    そのため、土地については法務局で取得できる登記事項証明書などで敷地権割合を確認し、土地全体の評価額にかけて、不動産の課税標準を計算します。

     具体例:土地の敷地権割合が「20万分の500」の場合
         建物 1,000万円(1)
         土地 評価額 3億円×敷地権割合 500/20万=課税標準 75万円(2)
            (1)+(2)1,075万円×0.4%(税率)=登録免許税 4万3,000円

遺言書による贈与

  • 遺言書で不動産の贈与を受けるケースがあります。
    「遺贈(いぞう)」と言いますが、税率が異なります。

    遺贈では相続人以外にも贈与できるため、原則として相続を原因とする所有権移転登記とは税率は異なり「1000分の20」となります。
    ただし、受遺者(もらう人)が、遺言者の法定相続人である場合は、相続を原因とする所有権移転登記と同じく、税率は「1000分の4」となります。

2-1-2.登録免許税の免税措置(対象:土地のみ、令和7年3月31日まで)

例外として、期間限定で登録免除税の免税措置があります。

相続により土地を取得した方が、相続による所有権移転登記をうける前に死亡した場合、その故人に一旦名義を移すための相続登記の登録免許税は免税されます。
(登記情報は、不動産の権利移動の変遷を残す必要があります。そのため、一定の条件を満たす場合をのぞいて、途中の所有者を飛ばして、現在の所有者名義に一気に登記名義を変更する事はできません。)

また、相続により土地を取得し、相続を原因とする所有権移転登記を申請する場合、その土地の価格が100万円以下であるときは、相続登記についての登録免許税が免税されます。
(※複数の土地がある場合、100万円を超えるか否かは、それぞれの土地ごとに判断します。)

これらの登録免許税を不要とする免税措置の詳細については、法務局の公式ホームページでご確認いただけます。

参照リンク │ 法務局公式ホームページ

「相続登記の登録免許税の免税措置について」

2-2.必要書類の取得費用

 

登記申請書は、(1)必ず提出する添付書類、(2)登記申請パターン別の添付書類の2段がまえで考えます。

まずは、(1)必要書類と取得のための費用実費について説明します。

2-2-1.収入印紙

相続登記申請時に納付する登録免許税相当額を購入します。

収入印紙
費用 登録免許税=課税標準(課税価格)×0.4%(税率)
取得・購入場所

郵便局、法務局など

※ 高額な印紙はコンビニエンスストアでは用意がないことが多いです。


2-2-2.固定資産評価証明書

登録免許税の計算、法務局に計算の根拠を証明するために必要です。
固定資産評価証明書
費用

各交付自治体・役所で料金は異なります。

実際には数百円/通(300円前後)であることが多いです。

取得・購入場所 都税事務所、市区町村役所

2-2-3.被相続人の住民票(または除票)

亡くなられた方(被相続人)に死亡の記載がある住民票が必要です。
世帯で住民票は作成されており、被相続人の死亡や転出(市外へ引っ越し)により世帯全員がいなくなった場合には「除票(じょひょう)」といって、住民票が抹消されます。

 

令和元年6月20日以降、保存期間は150年に延長されました。
費用は自治体により異なります。

被相続人の住民票または除票
費用

各交付自治体・役所で料金は異なります。

実際には数百円/通(300円前後)であることが多いです。

取得・購入場所 市区町村役所 (郵送請求可能)

2-2-4.戸籍謄本(または除籍)

亡くなられた方(被相続人)の死亡の記載がある戸籍謄本(除籍)が必要です。
謄本とは「写し/コピー」のことです。

本籍地の市区町村役場にある戸籍原本をコピーし、原本と違いがないと証明されたものです。
戸籍から死亡や婚姻などで構成員外れて誰も居なくなった場合には戸籍は抹消され「除籍(じょせき)」となります。
戸籍や除籍については全国で統一の料金となっています。

戸籍謄本(または除籍謄本)
費用 戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) 1通 450円
除籍謄本(除籍全部事項証明書) 1通 750円
取得・購入場所 市区町村役所
※本籍地のある役所で取得 (郵送請求可能)


郵送で戸籍謄本(除籍謄本)を取り寄せする場合、戸籍謄本等の購入費用は「小為替」による支払いが必要です。

 

小為替は郵便局で購入が可能です。

1枚の交付手数料は200円となっています。

 

また、戸籍謄本などを郵送請求する場合には、郵便切手を貼った返信用封筒の同封が必要です。

具体例  戸籍謄本の郵送請求の場合の全費用

 818円/通~
 [ 内訳 ]
 ・ 小為替(450円) + 小為替発行手数料(200円/枚)
 ・ 請求用紙送付用封筒(84円切手)
 ・ 返信用封筒(84円切手)+重量オーバーの際の予備切手(10円~)

2-3.申請パターン別の必要書類の取得費用

 


相続登記の主な申請パターンは、① 法律(民法)どおりの割合で相続する場合、② 被相続人の遺言書の内容にしたがって相続する場合、③ 遺言書がなく、相続人全員で遺産分割協議による場合です。

各パターンの相続登記申請で、特に必要となる費用について説明します。

2-3-1.遺言書


相続において、遺言書がのこされている場合、その内容が尊重されます。
なお、遺言書には、① 自筆で書く「自筆証書遺言」、② 公証役場で作成する「公正証書遺言」などがあります。

②の公正証書遺言は、元裁判官や元検察官といった法律の専門家が作成し、公証役場で保管されます。

そのため法律的に有効な遺言書が作成され、遺言書の偽造や隠されたりする不安はありません。

一方で、①の自筆証書遺言の保管は、「遺言者自身が保管」する場合と、「法務局で保管」される場合があります。
法務局で保管されていない自筆証書遺言については、発見次第、家庭裁判所で検認手続を受けなければなりません(法律上の義務)。

2-3-1-1.検認手続(自筆証書遺言による登記手続)

検認手続は、遺言書が有効であることを証明するための手続ではありません。
遺言書の存在や内容、状態を明確にするためのもので、後に偽造・変造を防止するための手続です。

亡くなられた方(被相続人)の最後の住所地の家庭裁判所に、郵送または窓口で申立てをおこないます。
費用は次のとおりです。

■ 遺言書の検認費用(家庭裁判所)

収入印紙
費用 800円分 (検認手続費用・検認申立時に必要)
150円分 (検認済証明書発行用・同証明書申請の際に必要)
取得・購入場所 郵便局など
郵便切手
費用

裁判所ごとに異なる(連絡用郵便切手)

戸籍謄本など
取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

費用

・ 被相続人の出生から死亡までの全戸籍
・ 相続人全員の戸籍
    ※ 取得費用の参考
         戸籍謄本 (戸籍全部事項証明書) 1通 450円
         除籍謄本 (除籍全部事項証明書) 1通 750円

 

なお、検認手続きの詳細については、次の関連記事でも解説しています。

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  • 遺言書を見つけた際の検認申立(記載例つき)

    公正証書遺言や、法務局で保管されている遺言書以外の自筆証書遺言は、家庭裁判所での検認手続が必要です。その手続きについて、司法書士が解説しています。

  • 相続があった際の「遺言書」の調べ方

    相続では遺言書の内容が優先され、遺言書が無い場合に、相続人全員で遺産分割についての話し合いをおこないます。そのため、相続が発生(被相続人が死亡)したら、まずは遺言書がのこされていないか確認します。実際にどのように遺言書を探すのかについて、司法書士が解説します。

2-3-2.遺産分割協議

相続人全員が参加せずにした遺産分割協議は、法律的に無効です。

そのため、相続人全員が参加したことを証明するために、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本などを取り寄せて相続人調査をおこない、相続人の範囲を確定させる必要があります。


また、相続人全員の意思にもとづき、有効に成立したことを証明するために遺産分割協議書に署名と実印での押印をおこないます。

そのため、実印の印鑑証明書を添付することが一般的です。

 

こうしたことから、戸籍謄本等の取得費用や、相続人がそれぞれに印鑑証明書を役所で取得するための費用が必要となります。

印鑑証明書
費用 ・300円前後/通(相続人全員分)
取得・購入場所 市区町村役場
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
費用

・被相続人の出生から死亡までの全戸籍
・相続人全員の戸籍
 ※ 取得費用の参考
   戸籍謄本(戸籍全部事項証明書) 1通 450円
   除籍謄本(除籍全部事項証明書) 1通 750円

取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

 

なお、遺産分割協議書を公証役場で公正証書にして作成することも可能です。 遺産額によって作成費用は異なりますが、3万円~10万円程度かかることが多いようです。

参照リンク │ 日本公証人連合会

「3 遺産分割協議」

 「Q8. 遺産分割協議公正証書の作成手数料は、いくらになりますか?」の質問では、「相続人ごとにそれぞれ取得(承継)する財産の価額に基づく手数料額を計算し、その手数料額の合計額が遺産分割協議公正証書の作成手数料となります。」と回答しています。

 

また遺産分割方法については、特定の相続人が不動産を引き継いで他の相続人には代償金を支払う方法(代償分割)や、不動産を売却処分してその代金を相続人間で分割する方法(換価分割)などがあります。

 

こうした遺産分割協議書をもとに、相続登記をおこなう場合には、その遺産分割の記載方法が重要となってきます。

当事務所では、遺産分割協議書の作成からサポートが可能です。

ぜひお気軽にご相談ください。

2-3-3.法定相続

法定相続とは、民法という法律に定められた割合で相続することです。
持ち分については、次の通り決まっています。

法定相続分(民法900条)
相続順位 法定相続人
第1順位

配偶者 1/2

子   1/2(人数で等分)

第2順位

配偶者 2/3

直系尊属(親・祖父母) 1/3(人数で等分)

第3順位

配偶者  3/4

兄弟姉妹 1/4(人数で等分)

 

この場合、相続人の調査をおこなう必要があります。

 

そのため、被相続人の出生から死亡までの全戸籍の取得が必要になります。

また、法定相続分による相続登記は、相続人全員が所有者(登記名義人)となりますので、相続人全員の「住民票」や「戸籍謄本」が必要になります。

住民票
費用 300円前後/通 (相続人全員分)
取得・購入場所 役所
戸籍謄本など
費用

▼ 数千円~
  ※ 住民票や評価証明の料金は市役所で異なり、相続人の数で取得する範囲が異なるため取得費用に幅があります。
  戸籍謄本等 (全国統一料金)
   被相続人の住民票(除票) または 戸籍の附票 (市区町村により料金異なる)
  相続人の住民票 (市区町村により料金異なる)
   固定資産税評価証明書 (市区町村により料金異なる)

取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

2-4.相続登記以外に必要となる手続き


相続登記申請をおこなおうとした際に、登記申請以外の手続が必要になるケースがあります。
それは遺産分割協議に参加する相続人に問題があるケースです。

どのような場合に、登記申請とは別の手続きが必要になるのかについて、解説します。

2-4-1.特別代理人(相続人に未成年がいる)

法律には「利益相反(りえきそうはん)」という考えがあります。
一方の利益は、他方の損失、という意味ですが、こうした関係にある双方の代理人として同じ方がなることはできません。

相続人が未成年である場合には、その親が法定代理人となります。
しかし、相続において利益相反となるケースがあります。


例えば、亡くなった方の相続人として「未成年の子」とその「親(被相続人の配偶者)」がなるケースがあります。

こうした場合に、妻が相続分を多く取得すると、未成年の子は大きな損失をうけることになります。
そのため、妻は子の法定代理人となることはできず、家庭裁判所に「特別代理人選任申立」の手続をとる必要があります。

特別代理人選任申立に必要となる費用は次のとおりです。

 

特別代理人選任申立にかかる費用(家庭裁判所)

住民票
費用 300円前後/通(特別代理人候補者)
 ※ 特別代理人候補者を立てることは可能です。その際、その人物の住民票、又は戸籍の附票(450円)を申立書に添付します。
取得・購入場所 市区町村役場
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
費用

450円/通
※ 未成年者および親権者の戸籍が必要です。
同じ戸籍の場合は1通を添付すれば足ります。

取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

 

なお、特別代理人の選任手続きについては、当事務所でも同手続きのサポートをおこなっておりますので、是非お気軽にお問合せください。

2-4-2.不在者財産管理人(相続人に行方不明者がいる)

 

相続人の中に行方不明者がいる場合、相続人全員が参加する必要のある遺産分割協議をおこなうことができません。
こうした場合に、家庭裁判所に「不在者財産管理人」の申立をおこなう必要があります。

なお、不在者である相続人の生死が7年以上不明の場合には、同じく家庭裁判所の「失踪宣告の申立」をおこない、法律上死亡したものとして遺産分割協議を進めることもできなくはありません。
しかし、1年程度の時間がかかってしまうことや、手続きが難しいため、不在者財産管理人選任申立を利用することが多いです。

 

 

不在者財産管理人選任申立の費用

収入印紙
費用 800円分 (申立時に必要)
取得・購入場所 郵便局など
郵便切手
費用

裁判所ごとに異なる(連絡用郵便切手)

戸籍謄本など
取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

費用

・ 不在者の戸籍謄本  450円/通
・ 不在者の戸籍の附票 300円/通

住民票(または戸籍の附票)
取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

費用

・ 300円前後/通(不在者財産管理人候補者)
 ※戸籍の附票(300円)の提出でも構いません。
 ※不在者財産管理人候補者を立てることは可能です。

2-4-3.成年後見人(認知能力に問題がある)

相続人のなかに認知症など、物事の判断能力が十分とは言えない方がおられる場合には、その方の代理人として後見人(こうけんにん)を立てます。

 

後見人は、法律行為をサポートすることができます。

遺産分割協議は法律行為に当たり、本人の法定代理人として参加します。

 

後見人を選ぶための手続きは家庭裁判所に申立てをおこないます。

判断能力の程度によって、判断能力の程度をふまえて、支援の必要度に応じてどの後見制度を利用するかを検討します。

支援の必要度が高い順に、後見、保佐、補助となります。

 

成年後見制度の類型

後見(こうけん)
判断能力の程度 判断能力が欠けている
申立できる人 本人、配偶者、4親等内の親族、検察官、市区町村長
支援する人

成年後見人

支援する人の代理権の範囲

財産に関するすべての法律行為

保佐(ほさ)
判断能力の程度 判断能力が著しく不十分
申立できる人 本人、配偶者、4親等内の親族、検察官、市区町村長
支援する人

保佐人

支援する人の代理権の範囲

申立ての範囲内で、家庭裁判所が定める特定の法律行為

後見(こうけん)
判断能力の程度 判断能力が不十分
申立できる人 本人、配偶者、4親等内の親族、検察官、市区町村長
支援する人

補助人

支援する人の代理権の範囲

申立ての範囲内で、家庭裁判所が定める特定の法律行為

 

なお、相続よりも前から支援を受ける被後見人が、今回の相続で後見人と共同相続人となる場合、遺産分割において利益が相反することになります。
こうした場合には、前の項目で解説をした特別代理人選任の手続き(家庭裁判所)をおこなう必要があります。

後見制度利用のための費用は次の通りとなっています。

 

後見制度利用の費用

診断書
費用 各医療機関で異なります
   数千円程度が目安です。
取得・購入場所 医療機関
※診断書のひな形は家庭裁判所で入手できます。
収入印紙
費用 3,400円分(800円分+2600円分)
   申立手数料+後見登記手数料
   ※ 保佐/補助申立で代理権、同意権付与の場合、それぞれ追加で800円分の収入印紙が必要です。
取得・購入場所 郵便局など
郵便切手
費用 各裁判所、各制度により異なります。
   数千円程度が目安です。
取得・購入場所 郵便局、コンビニエンスストアなど
鑑定費用
費用 10万円~20万円
 ※申立時に提出する診断書とは別に、裁判所が医師に依頼し判断能力の程度を確認するため鑑定を依頼します。
取得・購入場所 ※ 裁判所から連絡があり、費用を納めます。
住民票
費用 ・ 各自治体により異なります。
   数百円程度/1通が目安です。
 ※ 支援を受ける人、後見人候補者分。住民票に代えて戸籍の附票を提出することもできます。
取得・購入場所 市区町村役場
戸籍謄本 (戸籍全部事項証明書)
費用 450円/通
 ※支援を受ける人のもの
取得・購入場所 市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

 

各家庭裁判所により、後見制度の運用は異なります。

 

必要書類の収集や資料の作成は、家庭裁判所で用意されている申立書式に従っておこなうことにより、ご自身でもおこなうことは可能です。

 

しかし、手間がかかることなどから遺産分割協議書作成と合わせて、当事務所にご依頼いただくことも多い手続きのひとつです。

成年後見申立についてもサポートさせていただくことができますので、お気軽にご相談ください。

2-4-4.遺産分割調停申立(相続人間で遺産分割がまとまらない)

 

遺産分割協議がまとまらない場合、遺産分割調停による解決を検討します。


なお、相続税申告は、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内に税務署に対しておこなう必要があります。

まとまらない遺産分割において、まずは相続税申告を期限内におこない、遺産分割が整ったあとに修正の申告をおこないます。
申告期限を過ぎてしまうと「無申告加算税」や「延滞税」といった高額なペナルティを受けてしまいます。

遺産分割がまとまらない場合でも、まずは相続税の申告をおこなうこと。
その際に「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出して、「配偶者の相続税額の軽減の特例」や「小規模宅地等についての評価減の特例」などの節税利用可能な特例措置の適用を、遺産分割後に受けられるように配慮して申告することが大切です。

当事務所では、まとまらない相続トラブルに強い弁護士・税理士と提携しています。
ワンストップでご相談いただけますのでお気軽にお問合せください。

なお、遺産分割調停申立にかかる費用は次のとおりです。

 

 

遺産分割調停申立の費用

収入印紙
費用 1200円分/人
 ※被相続人1につき1200円です。
取得・購入場所 郵便局など
郵便切手
費用

裁判所ごとに異なる(連絡用郵便切手)

取得・購入場所 郵便局など
戸籍謄本など
費用

・ 戸籍謄本  450円/通
 ※相続人全員の戸籍

取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

住民票(または戸籍の附票)
費用

・ 300円前後/通(不在者財産管理人候補者)
 ※戸籍の附票(300円)の提出でも構いません。
 ※不在者財産管理人候補者を立てることは可能です。

取得・購入場所

市区町村役場
※本籍地のある役所で取得

 

主な必要書類、申請原因別で必要となる書類は以上のとおりです。

実際に相続登記をおこなう流れについては、次の関連記事で詳しく説明しています。

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3.司法書士費用の目安

 

司法書士費用の相場として統一基準が過去にはありましたが、平成15年4月1日に廃止されました。

 

そのため現在は、各司法書士が料金を定めています。

なお、相続登記は相続人の数や、不動産の個数、相続登記以外の手続き費用が必要になるケースもあるなど、オーダーメイド性の高い手続きのひとつです。

 

相続登記の基本料金を、旧司法書士報酬の基準をふまえて、「6万円前後~」で設定している事務所が多いようです。

当事務所でも、そうした報酬基準を参考に、明確な費用で相続登記をサポートさせていただいております。

相続による不動産の名義変更手続

司法書士報酬

依頼内容 サポート内容 司法書士報酬(税込)
相続登記 登記申請書の作成・申請代理・完了書類の回収 5万5,000円~
相続人調査 戸籍謄本・住民票などの取得代行・相続関係説明図作成など 3万3,000円~
法定相続情報一覧図の交付申請 戸籍謄本/住民票など取得代行・申請書作成/手続代行など 2万2,000円~
相続財産(不動産)調査 固定資産税評価証明書・名寄帳の取得 1万1,000円~
遺産分割協議書作成 遺産分割協議書の作成 2万2,000円~

 

相続登記の準備から申請までをフルサポートさせていただくプランもご用意しております。

依頼内容 サポート内容 司法書士報酬(税込)
相続登記おまかせプラン

不動産調査、相続人調査、遺産分割協議書作成、登記申請すべてをおまかせ。

 ※ 相続人が配偶者および子(3名まで)の範囲内である場合にかぎります。
 ※ 同一法務局管轄内に所在する不動産(2物件まで)にかぎります。

9万9,000円

 

司法書士に任せることのデメリットは、司法書士報酬といった費用がかかることです。

一方、メリットとしては、① 相続人間のやりとり、② 遺産整理や登記手続といった事務代行、③ 間違いのない手続きの完了が挙げられます。

 

なお、各相続手続きには期限があります。

相続税申告(基本、10か月以内)や、相続しない場合の相続放棄手続(原則、3か月以内)など、具体的に判断しなければならないことも多いため、専門家に相談される際には、可能な限り早めのご相談をお勧めします。

 

4.相続登記費用のまとめ

 

 

登記申請はご家族・親族の方の事情や相続関係により、とるべき手続きは異なってきます。

 

相続登記手続きといえども、書類収集から、相続人との話し合いまで、とても負担が大きく普段の生活のストレスにもなります。

当事務所では、そうしたご負担を軽減するために「相続登記おまかせプラン」もご用意しております。

 

日々忙しい、転勤・結婚などを機に実家を離れて遺産の整理ができない方に向けて、調査/書類作成・収集から登記手続の代行まで、遺産相続をトータル・フルサポートさせていただくことが可能です。

 

ぜひお気軽にお問合せください。

登記手続きの専門家として、具体的に何をしなければならないのかについて、親身になって相談・アドバイスをさせていただきます。

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