2次相続が発生し相続人が多数になった遺産承継|淡路市在住 A様|解決事例


相続手続

執筆者 司法書士 上垣 直弘


  • 兵庫県司法書士会登録番号 第1549号
  • 簡易裁判所訴訟代理認定番号 第712178号

日頃、東播磨地域(明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)や淡路市、神戸市にお住まいの個人、中小企業の方から不動産登記手続を中心に年間100件以上のご依頼を受けています。中でも遺産整理手続の依頼は多く、これまで遺産の名義変更や処分、不動産の相続登記を数多く取り扱った実績があります。

1.ご相談の経緯

亡くなられた奥様の金融資産の名義変更


淡路市にお住まいのAさんの奥様(Bさん)が亡くなりましたが、相続財産である多数の金融資産のほぼ全てがBさんの名義になっていました。

 

AさんとBさんの間には子供がおらず、Bさんには兄弟姉妹が10人いましたが、その内5人は既に他界しています。

 

Aさんは、Bさん名義の金融資産を自分の名義に変更したいと考えていました。
しかし、そのためには相続人からの同意が必要となります。

奥様であるBさんが亡くなられた時点において「誰が相続人」に該当するのか、
また、「どのように手続きを進めていいのか」がわからず、相談に来られました。

2.相談のポイント

二次相続により相続人が16名

図解 当ケースにおける関係図

図解 当ケースにおける関係図


Bさんの兄弟姉妹10人うち、5人は既に他界していたため、その兄弟姉妹の子も相続人に該当し、相続人はAさんの他に全員で16人にのぼりました。

Bさん名義の金融資産をAさんの名義に変更するためには16人全員の同意が必要ですが、
Aさんは高齢なため、自らが中心となって手続きをすることが非常に困難な状態でした。

当事務所が相続手続の窓口に


そこで、まずAさんから遺産承継業務として受任し、
当事務所がBさんの相続手続における窓口となり、
他の相続人15人全員と連絡をとったうえで、今後の手続きを進めて行くことになりました。

3.対応とその結果

図解 遺産承継整理のサポート内容

図解 遺産承継整理のサポート内容

相続人や相続財産の調査の実施


当事務所では、ご依頼後に次のように遺産承継のための手続を進めていきました。
  1. 相続人の調査
  2. 相続財産の調査
  3. 相続人全員への意向確認の連絡
  4. 相続財産の名義変更手続

相続財産の遺産整理手続の流れ

具体的には次のようなことをおこないました。

相続人調査

  まず相続関係を確定させるため、戸籍謄本等を収集しました。
  戸籍などの収集をおこなう際に、相続関係図などの作成をおこないました。

財産調査

  相続人調査と並行して、相続財産を確定していきます。
  今回はAさんがBさんの金融資産について全て把握していたので、提出された資料をもとに、各金融機関にBさん死亡時点での残高証明書を取得していきました。また、同時に各金融機関の支店担当者と手続き及び必要書類について打合せを行いました。

相続人全員との面談

  相続人及び相続財産が確定したところで、各相続人を順に訪問し、今回の相続手続きの内容について説明し、相続されるかどうかの意向を確認していきました。
  また、各相続人からも司法書士に対し遺産承継業務を委任してもらい、司法書士が相続人全員を代理して手続きを進めることができるようにすることで、相続人が多数に上る手続きを一元化していきました

預貯金の名義変更の手続き

  遺産分割協議書、各金融機関の所定の相続手続きの書類、相続人全員の印鑑証明書が揃ったところで、各金融機関に対し名義変更手続きの申請をしました。

金融機関が複数あったため、順に手続きをすすめていき、無事Aさん名義へ相続する手続きが完了しました。
また、今回は数名の相続人の方が相続される意向を示されたため、一部現金化して対象相続人へ振込む手続きを同時に執り行いました。

4.担当司法書士のコメント

図解 上垣司法書士事務所の遺産整理サポート

図解 上垣司法書士事務所の遺産整理サポート

今回は相続人が多数に上ったため、ご相談から解決まで約1年数か月を要しましたが、無事に解決することが出来ました。  

 

今回のような子がいないご夫婦の場合で、兄弟姉妹が相続人にあたるケースでは、相続関係が複雑になる場合が多いです。

 

特に高齢で亡くなられた場合、相続人である兄弟姉妹も亡くなられている場合が多く、甥や姪が相続人にあたるケースも多々あります。

 

この場合、多くの手間と費用をかけて手続きを進めることになります。  

 

子がいないご夫婦の場合、事前に遺言書を作成することで、相続関係が複雑になることを回避できる可能性が高くなります

当事務所では、
「相続される側」の生前対策としての、生前贈与、遺言書作成。
「相続する側」の遺産整理、相続登記手続をサポートしています。

ぜひお気軽に、当事務所までご相談ください。
ご事情、ご要望に耳を傾け、最適な解決策をご提案させていただきます。

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