相続登記未了の間に、さらに相続人のひとりが亡くなった場合の相続登記手続|神戸市西区在住 M様|解決事例
登記手続
執筆者 司法書士 上垣 直弘
- 兵庫県司法書士会登録番号 第1549号
- 簡易裁判所訴訟代理認定番号 第712178号
日頃、東播磨地域(明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)や淡路市、神戸市にお住まいの個人、中小企業の方から不動産登記手続を中心に年間100件以上のご依頼を受けています。中でも遺産整理手続の依頼は多く、これまで遺産の名義変更や処分、不動産の相続登記を数多く取り扱った実績があります。
相続登記未了の間に、さらに相続人のひとりが亡くなった場合の相続登記手続|神戸市西区在住 M様|解決事例 | |
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依頼者様 | 兵庫県神戸市西区 在住 |
ご依頼内容 | 相続登記(相続不動産の名義変更) |
手続代行・サポート内容 | 登記手続(神戸地方法務局須磨出張所、権利証(登記識別情報通知)の受領 |
ご相談の経緯
Mさんは、母(Bさん)が亡くなったため、
神戸市須磨区にある実家の不動産を売却したいと考えていました。
他の相続人(Cさん、Dさん)も実家不動産の売却に同意したため、
いざ売却手続の依頼を不動産会社にしようと思ったところ、
実家不動産の名義が約30年前に亡くなった父(Aさん)の名義のままだったことが発覚しました。
Mさんは、このままでは実家不動産を売却できないと知り、
不動産会社の紹介で上垣司法書士事務所に相談に来られました。
相談のポイント
不動産の名義人が亡くなった場合、
その不動産を売却するためには、
相続人への相続登記をおこなう必要があります。
Mさんと他の相続人は、
「実家不動産をMさんの名義に変更したい。」という意向でした。
しかし、今回のケースでは、
不動産の名義人である父Aさんが亡くなったあと、
さらに父Aさんの相続続人のひとりである母Bさんが亡くなられています。
このような場合、
父AさんからMさんの名義に相続登記をおこなうには、
どのように遺産分割協議をおこない、
どのような内容の遺産分割協議書作成すればいいのかがポイントとなります。
弊所の対応とその結果
まず相続人調査をおこない、相続人を確定していきます。
今回のケースでは、AさんおよびBさんと、2つの相続が発生しているので、
AさんとBさん両名の「出生から死亡時まで」の戸籍を取得し、
それぞれの相続人を確定していきます。
相続人調査の結果、
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Aさんの法定相続人は、母Bさん、Mさん、Cさん、Dさん
-
Bさんの法定相続人は、Mさん、Cさん、Dさん
であることが確定できました。
次に、AさんからMさんの名義へ相続登記をおこなうために、
Aさんの相続人全員で遺産分割協議をおこないます。
相続人のひとりであるBさんが亡くなっていますが、
この場合、Aさんの遺産分割協議に参加するBさんの権利を、
Bさんの相続人であるMさん、Cさん、Dさんが引継ぐことになります。
つまり、Mさん、Cさん、Dさんは、
-
父Aさんの相続人としての立場
-
Aさんの遺産分割協議に参加するはずだった母Bさんの相続人としての立場という、
ふたつの立場で遺産分割協議に参加することで、
実家不動産をMさんが単独で相続するという遺産分割協議をおこなうことが可能です。
上記の場合の遺産分割協議書の記載例は下記のようになります。
図表 当ケースの遺産分割協議書の記載例
遺 産 分 割 協 議 書
被 相 続 人 A
生 年 月 日 昭和○○年○○月○○日
死亡年月日 平成○○年○○月○○日
最 後 の 住 所 神戸市須磨区○○○○○○
最 後 の 本 籍 神戸市中央区□□□□□□
登記簿上の住所 神戸市須磨区○○○○○○
相続人兼被相続人 B
生 年 月 日 昭和○○年○○月○○日
死亡年月日 令和□□年□□月□□日
最 後 の 住 所 神戸市須磨区○○○○○○
最 後 の 本 籍 神戸市中央区□□□□□□
被相続人Aの遺産について、同人の相続人において分割協議を行った結果、次のとおり決定した。なお、被相続人Aの相続人は、B(令和□□年□□月□□日死亡)、M、C、Dである。M、C、Dは、被相続人Aの相続人であるBの権利義務を有する者として、本件遺産分割協議に参加し、下記の通り遺産分割協議が成立した。
1. M が取得する遺産
以下省略
今回のケースでは、上記のような内容で遺産分割協議書を作成し、
Mさん、Cさん、Dさんの遺産分割協議書への署名捺印および印鑑証明書の提出を受けて、
神戸地方法務局須磨出張所に相続登記を申請。
無事に実家不動産をMさんの単独名義に変更することができました。
担当司法書士からのコメント
今回のケースでは、Mさん、Cさん、Dさんが、
二重の立場(父Aさんの相続人・母Bさんの相続人)で遺産分割協議をおこなうことで、
Mさんへの相続登記をおこなうことができました。
このような事例では、通常の相続と比較して、
相続人調査(戸籍吸収)や、遺産分割協議書の作成が複雑になりがちです。
また、相続関係によっては、
今回のような二重の立場での遺産分割協議が否定されるケースもあるので注意が必要です。
上垣司法書士事務所では、個々の相続関係に応じて解決策をご提案させていただきます。
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