相続人の中に未成年者がいる場合の相続登記|明石市在住 S様|解決事例


登記手続

執筆者 司法書士 上垣 直弘


  • 兵庫県司法書士会登録番号 第1549号
  • 簡易裁判所訴訟代理認定番号 第712178号

日頃、東播磨地域(明石市、加古川市、高砂市、稲美町、播磨町)や淡路市、神戸市にお住まいの個人、中小企業の方から不動産登記手続を中心に年間100件以上のご依頼を受けています。中でも遺産整理手続の依頼は多く、これまで遺産の名義変更や処分、不動産の相続登記を数多く取り扱った実績があります。

ご相談の経緯

 

図表 相続関係図(利益が相反する関係)

図表 相続関係図(利益が相反する関係)

Aさんの夫であるBさんが亡くなりました。

 

Aさんと亡Bさんの間には未成年の子どもが1人います。

 

Aさんは、亡Bさんの名義であった自宅不動産を、子どもが小さいのでごAさん自身の名義にしたいと思い、相続登記のご相談で上垣司法書士事務所に来られました。

 

相談のポイント

 

図表 相続不動産の移転

図表 相続不動産の移転


亡Bさん名義の不動産を、Aさんの単独名義とする相続登記をおこなうためには、Aさんと未成年の子のあいだで、「亡B名義の不動産をAが相続する」という内容の遺産分割協議をおこなう必要があります。

 

しかし、遺産分割協議は法律行為であり、民法という法律では、原則として未成年者が単独で法律行為をすることができないとされています(民法5条)。

参照リンク │ 民法第5条 (G-GOV法令検索)

 

(未成年者の法律行為)
第五条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
2 前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる。
3 第一項の規定にかかわらず、法定代理人が目的を定めて処分を許した財産は、その目的の範囲内において、未成年者が自由に処分することができる。目的を定めないで処分を許した財産を処分するときも、同様とする。

 

未成年者が法律行為をおこなう場合、一般的には親権者が未成年者を代理しておこなうことになりますが、今回のケースでは、親権者であるAさんも遺産分割協議の当事者であり、互いに利益相反となるため、Aさんが未成年の子を代理して遺産分割協議をおこなうことができないことになります。

 

図表 相続関係図(妻と子の関係)

図表 相続関係図(妻と子の関係)

 

このような場合に遺産分割協議をおこなうには、親権者に代わって未成年者である相続人を代理する、「特別代理人」の選任を家庭裁判所に申立てる必要があります。


なお、特別代理人の選任申立の際には、遺産分割協議書の案を裁判所に提出する必要があります。

 

特別代理人は、「未成年者である相続人の利益を守る」ために選任されるため、未成年者である相続人にとって不利な協議内容の場合は、裁判所に認められない可能性があることに注意が必要です。

弊所の対応とその結果


今回のケースでは、亡Bさんの遺産全体の価値のうち、自宅不動産の価値がその大半を占めていました。

 

そのような中で、「亡B名義の不動産をAが相続する」という内容の遺産分割協議の内容は、「未成年者である相続人の利益を守る」という観点から、裁判所に認める可能性が少ないといえます。


一方、法定相続分(法律で定められた相続分)で相続登記ををおこなう場合、遺産分割協議も、特別代理人の選任も不要です。

図表 相続関係(未成年の子との遺産分割)

図表 相続関係(未成年の子との遺産分割)

 

将来的にAさんの単独名義にしたい場合、未成年の子が成人したあとにAさんと成人した子のあいだで遺産分割協議をおこなえばAさんの単独名義に変更することも可能です。


以上の内容をふまえてAさんと相談した結果、今回はいったん法定相続分で相続登記ををおこなうという結論に至りました。その後、Aさんと未成年の子の共同名義とする相続登記を申請し、無事に手続が完了しました。

担当司法書士からのコメント

 

相続人のなかに未成年者がいる場合、遺産分割協議をおこなうには原則として特別代理人の選任が必要となります。

 

仮に、「未成年の相続人が全ての財産を相続する」内容の遺産分割協議であっても、特別代理人の選任を要するのが実務上の取扱いとなっています。

 

したがって、成人した相続人間で遺産分割協議をおこなう場合とは異なり、未成年である相続人の利益を保護する観点から考慮すべきポイントが多くなります


相続の相談では、問題点・リスクの整理、具体的な解決策の提案まで、
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